老紳士然とした佇まいの昭和的チーズケーキの再解釈


おいしかったなぁ。

SATSUKIのスーパーメロンショートケーキ


こう書くだけで、「スーパー」に「メロン」に「ショートケーキ」と、字面のゴツさに半笑い。

さらには1カット1600円オーバーなお値段にも半笑いなわけですが、反面、味はもう可憐も可憐で、シュワッと消えゆくミルキー&フルーティ。

世にはこういう志向のケーキもあるんだなあと、ほんと勉強になりました。


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というわけで、
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一緒に買ったスーパーシリーズ……


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パティスリーSATSUKI

東京スーパーチーズケーキ

1080円

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こちらもね、食べて感想を書きたいと思います。


で、これ、どういうケーキなんだろって、食べる前にちょっとググってみたいんですよ。

すると公式HPを発見。

こんな詳しい説明があるのか……。

http://www.newotani.co.jp/makuhari/restaurant/p_satsuki/index.html?Psubid=45&DispTab=3


上記リンクによると、なんでも〈八丈島産(東京都)ジャージー牛乳のコクと、自家製ラムレーズンのハーモニーが絶妙しっとりと焼き上げたチーズケーキに、軽やかな口当たりのアーモンドミルククリームをたっぷりと絞った見た目も特徴的な新作ケーキ〉らしいんですよ。

さらには〈口にすると、はじめに印象的なのは、アーモンドミルククリームの下に隠されたザラメ。カリカリした心地よい食感と、噛む度に染み渡る甘みが、ジャージー牛乳とチーズの生地の美味しさを引き立たせます。 そして、後味に甘く香るのは、今作の味のポイントとなっている大粒のラムレーズン。12センチほどの大粒のレーズンは、食べ応えも抜群で、全体の味の印象を大人の味わいにまとめています〉ですって。


Oh……もう私が食べて感想書く必要ないのでは?っていうね。


まあいいか。

素人インプレッションの集合知こそがネットの知性。

公式ハンドブックじゃ語りきれないなにかを書いてみるとしましょう。


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まず、佇まい。

なんともクラシカルですよね。


上部にかかったアーモンドクリームの絞り模様がなんとも美しく、それを途中でぶった切る意匠が、1960年代とかの古いマンションの塗り壁ファザード的というか、古き良き手仕事を思わせます。


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アーモンドクリームの下には、ナパージュっていうんですかね。このツヤツヤテカテカの層が見えます。

チーズケーキにこのデザインって組み合わせは日本だけなんですかね。どうなんだろ。

これがあるとひと目で、あ、チーズケーキだってなるからテンション上がりますよね。

昔、レアチーズケーキがブームになったとき、この層がないことに困惑したことを思い出します。

これにザラメが隠されているということなのでしょうか。


下部には、超巨大ラムレーズンがチラホラ見えてます。

確かにこれは大きい。

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ざくり。

食べてみましょう。


おいしい。

なるほどなるほど、こういう方向か!という感じです。


確かにチーズの味は濃厚なのですが、想像したようなバシン!と前面に出ずっぱりなベイクドチーズ味じゃなくて、めちゃくちゃサッパリとした生のチーズをいっぱい入れましたよ、という感じ。

なので、アレ?チーズの味する?の後にぐわわっとチーズ味とコクが押し寄せる感じ。

この時間軸がなんとも奥ゆかしく、心地よい上品さを生み出してます。


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おいしいおいしい。

コージーコーナーだってここまで大きくないぞってくらいに大きいこのケーキが、スルスルとお腹に収まっていきます。

ここはスーパーメロンショートケーキと共通するところですね。

上質ゆえの、想像を超えたサッパリ感。


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そして、これが噂の巨大レーズン。

いまだかつてないほどに大きいです。

そして、味が強い。


このレーズンがドカンとアクセントを与えてくれるおかげで、奥ゆかしいチーズケーキ生地を飽きることなく食べ進めることができるという仕組みなのでしょうか。


チーズのコクや酸味に対する、レーズンの甘み、果実味、官能的な香気。

さらにバリエーションを与えるザラメとアーモンドクリーム。


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うん、うん。

こりゃ緻密。


しかし、小川軒レーズンウィッチ、六花亭バターサンド、スーパーで売ってるオールレーズン、そして憧れのレーズンバターなどなど、レーズンを要に置いた味にレトロを感じるのって私だけじゃないですよね。

老紳士が小さなフォークでちょこちょこ食べているのが絵になる感じ。


そう、上品な昭和の紳士。


そう考えたら、この東京スーパーチーズケーキって、実にニューオータニっぽい印象のケーキなのかも。

私のような若造が思う以上に、老紳士に特別な感情を湧き上がらせるケーキなのかもしれません。

そんな気がします。


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「パティスリーSATSUKI」(パティスリー サツキ)

シェフはニューオータニ生え抜きの中島眞介さん。彼は栗の扱いが得意だそうです(くっ、マパテラインナップにモンブランあったのに選ばなかった…!)。

ホテル内で併設されているカフェはケーキバイキングがめちゃくちゃ人気で、たしか予約を受け付けてないので、めっちゃ行列ができるときいたことがあるような。

ピエール・エルメとコラボしたフルコースを提供するとかチャレンジングな試みをしてみたりも。

芸能人とか財界人とか、とにかく有名人がフラッと来ては食事をとっていることでも知られてます。

なんでもあのサッチーが自分の家のごとく使ってたとか、なんとか。

http://www.fukusaya.co.jp/

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