食べやすさと、クリームと、老舗キャラの奥深さと

伊勢丹デパ地下で毎度のように前を通りながらもあまり食べたことがない資生堂パーラーのケーキ。

IMG_9719
ショートケーキと、サヴァランショコラをへーとかほ~とか言いながら食べた流れのなか、この投稿ではミルフィーユについて感想をしたためたいと思います。

IMG_9783
…………………………………
資生堂パーラー
ミルフィーユ
497円
…………………………………
私はそもそもミルフィーユが大好き。
ミルフィーユだってだけで点が甘めになるところあるので、冷静に食べてみたいと思います。

IMG_9799
粉砂糖でキレイにラインを引かれた上部生地。
昨今の資生堂パーラーのデザインワークは「線」が非常に効果的な役割を果たしてますが、それに通じるものを感じます。
有機的なものにビッと直線を引くとなんか洗練された雰囲気が漂いますよね。

IMG_9800
横面はスタンダード。

IMG_9801
生地は…ってあれ?
なんかすごくクリームの比率が高くないですか、このミルフィーユ。

だし巻き卵を挟んだサンドイッチくらいのレベルでクリーム比率ガッツリ。
生地層少なっ。

こういう比率って昨今、珍しい気がします。

IMG_9803
何はともあれ、ゴロリと寝かせて。
(余談ですが、昔に得た知識に疑問を持たず転がして切っているけど、本当にコレって正しいマナーなんでしょうかね。もっと良い方法はないものでしょうか。まあいいけど。)

IMG_9808
いただきまーす。

…おー、こう来たか。
予想と違う。
IMG_9814
見ての通りの、ぼってりとした黄色の強いカスタードクリーム。
これが色からしてたまご!って味なのかと思ったんです。
でもぜんぜん違う。もっとずっとスルスル食べやすい味です。

いや、じゃあサッパリしているクリームなのかといったらそんなことはないんですけど。
なんというか、糖分も脂肪分もバニラ感もたまご感も、すべて過剰な部分がなく、まろやかでスキッとした味わいと言いますか。
なるほど、これならクリームが大量でも食べやすいわけです。

生地もかなり食べやすい味づくり。
ともすると単調になりがちなカスタードクリームにパリッとしたアクセントを与える程度にはほろ苦く、キリッとした味わいではあるのですが、それもかなり穏やかな苦さです。

IMG_9803 2
写真を見返してみると、生地の下面がキャラメリゼされてない。上面だけ?
尖った甘みも尖った苦味もありません。
食感に関しても、口のなかが切れるようなエッジの聞いた硬さでも、羽のように軽かったりもしない、しっとりした仕上げ。

なんだろうこれ、現在のミルフィーユとしてはなかなか無いタイプ。かなり個性的な味わいなんじゃななかろうか、という気分になってきましたよ。

例えば普段、ケーキを食べ慣れない方にも「これなら最後まで食べられるよ」と愛されやすい味なことは確かでしょうね。

そう、資生堂パーラーはスイーツの聖地であるとともに、池波正太郎に憧れる左党な方々が訪れる場所でもありますもん(いや、池波さんは甘い物好きなんでしょうけれども)。
こういうタイプのケーキは絶対に必要ですよね。

それにしたって、直前に食べたサヴァランショコラがあまりに享楽的な味だったもので、それとこのミルフィーユの味のギャップに舌が迷ってます。

資生堂パーラーよ、私にはまだ、あなたのキャラが掴めない。

…………………………………
「資生堂パーラー」(しせいどうぱーらー)
あの資生堂(化粧品の!)が運営するレストラン・喫茶・菓子販売のブランドです。
銀座の資生堂店舗内のソーダー売り場としてスタート。
業態をどんどん変化させていきつつも、ソーダ、アイスクリーム、そして洋食屋さんとして地位を不動のものとし、今に至ります。
銀座8丁目の資生堂ビルといえば、古き良き美食の殿堂!
ビル1階のお菓子売り場は超おしゃれだし、3階のカフェはイチゴの季節にはみんな行列を作ってパフェを食べに行きます。さらに4~5階は、まさに憧れレストラン。池波正太郎の名前を出すまでもなく、銀座を闊歩するモボ・モガの巣窟(笑)として、めちゃ有名ですよね。
そんな資生堂パーラーが繰り出すお菓子はそれこそモダンな味わい。東京土産としても抜群の実力を誇ります。
…………………………………