マキシム・ド・パリを忘れさせる超濃厚カスタードの苺ミルフィーユ

野心的な味のケーキもおいしいしトラディショナルなケーキもおいしい。だけど、そのどちらでもないおいしさってのもあるよなーと、そう思わせられる非常に刺激的な味でした。いや、ケーキの味自体はすごくほっこりする味なのですけれども。

というわけで(?)今回は、その際に買ったもうひとつのケーキ、苺のナポレオンパイについてお伝えしたいと思います。

IMG_3247
お店でこれを発見した瞬間に、「あ、マキシム・ド・パリみたい」と思ったんです。

あの失われてしまったマキシム・ド・パリ。
その看板スイーツ「苺のミルフィーユ」を愛しすぎたがゆえに閉店後数年が経過した今も「あれをもう一度食べたい」という呪いをかけられてしまった人々が今も銀座周辺には多数うごめいているといいます。

そして何を隠そう、私もその呪いから逃れられない人間のひとり。
というわけで、マキシム・ド・パリの復活を祈りつつも、他店のショーウインドウに苺&ミルフィーユの組み合わせを見かけるたび、いきなり目が悪くなり、ぜんぜんビジュアルが違うのに、あ、ひょっとして似てるかも。買う……となる。
そういう人生を送っているわけです。

ちなみに「ナポレオンパイ」は、まんま「苺のミルフィーユ」って意味です。
アンリ・シャルパンティエ曰く「お菓子の皇帝という意味や、ナポレオンのかぶっていた帽子の形に似ていることから」らしいです。
ほー。

IMG_3050
IMG_3051

IMG_3064
…………………………………
KIHACHI(キハチ)
苺のナポレオンパイ
648円
…………………………………

見ての通り、マキシム・ド・パリのやつとは、ぜんぜん見た目が違うんですけれども、おいしそうです。
食べてみますよー。

うーわー、なんだよ。おいしいじゃないですか。
まず言っておくべきは「マキシム・ド・パリとはぜんぜん違う」ということ。見た目だけじゃなく。
でもね、それでもおいしいんですよ!

まず、とっても大切なパイ生地について。
パリパリとしっとりの間。パリパリだけでも駄目だし、しっとりしすぎても駄目。
たまにフカフカ!って感じのやつもあるけどね。
私は比較的どっしりしているやつが好きです。
擬音ばっかだな。

少しアレなことを申しますと、パイ生地に関してははエルメで勉強するというか、エルメを「マイ基準」にしているお菓子ラバーが多いと思うんですけど、私、それよりもちょっと重めの食感がおいしいと思うことが多いんですよ。
LOVE古典。LOVEフィユタージュ・オルディネール。
もちろん、エルメはいつ食べてもおいしいですし、ケーキにもよりますけれどもね。

話は戻しまして、KIHACHIのパイは、けっこうがっしり。
んで、側面が強めにキャラメリゼ。
IMG_3073
これがけっこうパリパリするし、すんごい芳ばしい。
なのに苦すぎない。煮詰めすぎずに量多めっって感じ?
生地に負けない。

IMG_3075
苺は小粒でキメが細かく、めちゃくちゃ粒が揃っている。
ちゃんと甘いし、ちゃんと酸っぱい。
この酸っぱいってのが大事ですよねー。

IMG_3076
んで、特徴的なのが、カスタード。
これでもかと濃厚で、めっちゃ玉子玉子している。
真っ黄色。
これはトライフルロールと同じやつかな。
ほんとおいしい。

なんか、あまりバニラっぽさがないんですよ。
普通、カスタードって、これでもか!って勢いで、バニラビーンズごりごりにしがちじゃないですか。
あれがないから、薄化粧チック。なのにボディは強い。
対して、生クリームはどこまでも軽く、もはや無いようなもの。
シュワンっと消えます。
お見事。
IMG_3078
こうやって見ると、パーツひとつひとつの作りが、ほんとうに丁寧なんだなあ。
かなり高い練度で作られたパーツがカチッとハマる喜び。
ケーキはほんと、味のオーケストラですよ(上手いこと言った風)。

IMG_3079
うー、おいしい。

ああ、一瞬、マキシム・ド・パリのこと忘れてた。
それくらいおいしかった。
KIHACHIってすごいんだなあ。
ほんと、ソフトクリームしか食べたことなくてすいませんでした。


…………………………………

「KIHACHI」(キハチ)

熊谷喜八がオーナーシェフのレストランと洋菓子店。 創業は1987年。

フレンチベースの無国籍料理だとか、イタリア料理だとかで5個ものレストランを経営。

さらにはカフェ、パティスリーもいっぱい展開。

あ、パティスリーはどれも東京ですね。なんでだろ。キッチンがひとつしかないのかな。

例の黒ゴマソフトを出していた「キハチソフトクリーム」はぜんぶ閉店。でも、羽田空港にある店舗では今も食べられるという情報も。ああ、食べたい。

http://www.kihachi.jp/

…………………………………