ザク!ザク!と枯れ葉を踏むように生地を味わうミルフィーユ

さあ、伊勢丹新宿店のマ・パティスリーで買ったジュンウジタのケーキたち。
タルトフレーズに続く、ふたつめのケーキはというと…。

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パティスリー ジュン ウジタ
ミルフォイユ フレーズ
540円
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「フレーズ」「フレーズ」と、いちごまみれですよ。
どれだけいちごが好きなんだよお前、って感じですね。

走りの時期にはいちご大福を食べすぎて、いちご疲れをしていた私ですが、やっぱね、いちごは花形食材のひとつですから。

さあ、ミルフォイユ フレーズ。
雑誌「料理通信」の2月号で宇治田潤さんが、ガレット・デ・ロワについて語られていて、ああ、これはおいしそうだな。一度、宇治田さんのパイ生地を食べてみたいものだなーと、思っていたのですよ。
なもので、KIHACHIのナポレオンパイを食べたばかりだというのに、意気揚々とこれをチョイスです。

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さ、食べましょうかー…と、よく見ると、パイ生地の膨らみ具合が強烈。

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上部のキャラメリゼした面もボコボコしていて、生地がのびのびと膨らんだ様子が見て取れます。
美しき、生命力。

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笑ってしまった。
ナイフを入れると部屋に響き渡る、ド派手なザックザク音がすごいんです。

そして、
口に入れてもそのザクっ!ザクっ!が止まらない。

ああ、これは、パイ生地を食べさせたいミルフィーユなんですね。
生地、すっごくおいしいなあ。

味は重く、でも食感は軽やかでホロホロ。
焼き込みはこの上なく強めで、しっかりとした苦みが広がります。

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このクリームは、なんなんでしょう。
あまり食べたことがない味です。
なにかリキュールが使われている?
コクがすごい。

う
はて、と思って売り場の写真を拡大、拡大。商品説明を見てみると(み、見えづらい…)
「フィユタージュにムースリーヌ」。
フィユタージュはパイ生地のことだとして、「ムースリーヌ」?

調べたところ、「カスタードクリームとバタークリームのちょうど中間的なクリーム」とのこと。
へええ。
そんなのがあるんですね。
なにやら特徴的な味ではありますが、バターつながりゆえなのでしょうか、パイ生地の風味にすんなり溶け込み、よくマッチします。

あと、このクリーム、あまり甘くないです。
全体を通して一番甘い印象なのは、パイ生地のキャラメリゼ部分。
ムースリーヌはかなり抑えめで、いちごの甘みを補佐するくらいの塩梅です。
これがジャストというかもう、この上なくバッチリ決まっているわけですよ。
こんなん、素人が目指したりなんかしたら、大事故が起きそうな味のバランスです。

もう少し簡単、安易な味のバランスがあっただろうに。
もう少しキリキリと胃が痛まないような妥協点があっただろうに。

そう言いたくなるくらい作るのが難しそうな味のバランスを目の前で決められたときの感動。
うう、おいしいを超えて、感動。
いや、そんな感慨は置いておきます。シンプルに、これは、おいしい!

全体的に言えば、まず、生地の小麦とバターのおいしさが大爆発。
スムーズなクリームのコクが繋いで、最後にいちごの酸味とみずみずしさの印象が遅れて立ち上がってくる、という感じでしょうか。

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あらためて写真を見ると、クリーム&いちごの層に比べ、生地の層が分厚い。
割合おかしい!
いかにも生地を食べさせるぞ!って気迫が見て取れますね。

その、あんまり甘くなくて、ほろ苦いミルフィーユを噛みしめれば、焼いた小麦粉の味がじわじわっ、じわじわっとこみ上げてくる。

ああ、「苦味が華やか」だなんて思ったのは、これが初めてです。
枯れ葉を踏んだような、秋の日の町並みを思い起こさせる食感は、しばらく記憶から消えてくれそうにありません。


さて、複数回に分けて書いているマ・パティスリー、ジュンウジタ。
残るはパイの焼き菓子、アルレットです。
こんなおいしい生地のミルフィーユを食べたあとですからね、自ずと期待度も高まるというものです。
ああ、楽しみだー。

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「パティスリー ジュン ウジタ」
碑文谷にあるパティスリー。
シェフパティシエの宇治田潤さんは、青木定治さんの右腕としてならした後に、鎌倉のパティスリー雪ノ下を任されるという華麗なる経歴の方。
2011年にパティスリージュンウジタを立ち上げ、年々、名声は増すばかり。
しかし店舗が、東横線の学芸大学駅と都立大学駅のちょうどど真ん中あたり、徒歩にして駅から18分という立地ゆえ、行きたいのになかなか行けないパティスリーとしても有名か…も。
ちなみに、食べ終わったあとに「ジュンウジタ」で検索したら、あ、これも食べたい。これ食べたかった!うおーつらい。どうしてこれを選ばなかったの私!って感じの雨あられ。
早めに次の機会を得ることを祈りたいと思います。
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